『マフィア:オリジン ~裏切りの祖国』の舞台を1900年代シチリアに設定するという大胆かつクリエイティブな選択により、このストーリー重視の犯罪ドラマは他の作品とは一線を画しています。美しい景色で有名なロケーションを選んだことで、Hangar 13の開発チームには、ビジュアル表現とリアルさにおいて細部にわたるこだわりが求められました。彼らはこれまで多くのプレイヤーが目にしたこともないような環境を構築しようとしただけでなく、そのビジョンを実現し、さらにその先へ行くために新たなツールを採用しました。
新たなエンジンで描かれるマフィアの起源
20年以上にわたって独自の技術でゲームを開発してきたスタジオですが、『マフィア:オリジン ~裏切りの祖国』にはUnreal Engine 5の利用が理想的だと考えました。チームはこのエンジンを使い始めて間もなく、その機能を活用し「マフィア」ゲームのビジュアルの限界を突破することができました。

アートディレクターのスティーブン・ノークは語ります。「この舞台に最適な新技術の全てを活用しようとしました。現代的な都市なら、こうした革新のインパクトは薄くなっていたと思います。でも『マフィア:オリジン ~裏切りの祖国』では、崩れかかったシチリアの民家の漆喰や年代を重ねた老朽化を描くことができます」
どのスクリーンショットやトレーラーを見ても、新しいツールの力で事細かなディテールまで作り込むことができたのがよく分かります。「『マフィアIII』や『マフィア コンプリート・エディション』のような過去作では、例えば1つの建物が2~3万個のトライアングルで構成されていました。『マフィア:オリジン ~裏切りの祖国』では、1つの建物は100万個以上になります」とリード・エンバイロメントアーティストのミカル・ドリマルカが上の動画で説明しています。
アップグレードされたツール
このエンジンは、息を呑むような背景の制作を可能にするだけでなく、人間のキャラクターやリアルなライティングを表現する高度なシステムを備えています。『マフィア:オリジン ~裏切りの祖国』に登場する全ての人物の緻密な顔のディテールを見れば、そのパワーは一目瞭然で、映画さながらのストーリーを支えるモーションキャプチャの演技を引きた立たせています。また、新しいライティング技術によって、あらゆるシーンで雰囲気を高め、感情を強調できるようになりました。

エグゼクティブプロデューサーのデビン・ヒッチは話します。「太陽が降り注ぐ田園地帯を駆け抜けているときも、美しい夕日を背に戦っているときも、古い地下墓地の影に潜むときも、ライティングは映画のようなゲーム体験に欠かせないものです。既に完成度の高いビジュアルに、リアルさを極めたライティングを重ねることで、この世界のどこにいても没入感が圧倒的に高まります」
『マフィア:オリジン ~裏切りの祖国』のエンジンで新たな技術の方向性を切り拓いたHangar 13は、当時のシチリアの絶景を再現することに成功しました。この夏、ゲーム発売時には目を見張るようなスペクタクルを体験していただけることでしょう。『マフィア:オリジン ~裏切りの祖国』は、2025年8月8日(金)にPlayStation 5、Xbox Series X|S、PC(Steam)で発売されます。現在、予約および事前購入を受付中です。引き続き、開発者日記ではこの唯一無二のシチリア犯罪ドラマの制作過程を掘り下げていきますので、お楽しみに。